2007-01-01から1年間の記事一覧

“The Lusitania Murders”

引き続き、ヴァン・ダインと「大量死理論」について。戦争の予兆に真っ先に反応するのは、株屋だという話があります。同じように、戦争の惨禍が残した空気を肌に感じて、それを言葉にするのも戦場の兵士だけとは限らない。むしろ戦争の当事者の方が、トラウ…

[法月]その男、マルコム――転位する媒介者

マルコム・マクラレン。『シチュアシオン――ポップの政治学』(上野俊哉)から、ヴァン・ダイン論のためのメモ。 マルコムについては、その悪評ばかりを聞いてきた気がする。一つには、ぼくなどはセックス・ピストルズのジョニー・ロットンより、PILのジョ…

[法月]「無限」に魅入られた男

ゲオルク・カントール。「連続体仮説」がおのれのアイデンティティーそのもので、人生を「連続体仮説」に捧げて生きてきたため、「連続体仮説」が真であることをあらゆる思考の基盤に据えてしまった男の悲劇。「無限」に魅入られた天才数学者たち作者: アミ…

ちょっとこわい?ピーター・ラビット

幼い頃、あまり定番の名作絵本に接した記憶がないので、3歳の娘のために「ぐりとぐら」やピーター・ラビットを読んでやるのは、自分にとってもなかなか新鮮な経験です。とくに、ピーター・ラビットのシリーズには、結構ミステリふうの話が混じっていて、それ…

反省会

今日は、探偵小説研究会の例会です。主な議題は『2008 本格ミステリ・ベスト10』の反省会です。2008本格ミステリ・ベスト10作者: 探偵小説研究会出版社/メーカー: 原書房発売日: 2007/12メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (39件) を見る …

反省会2

静岡へ帰らなければならなかったので最後まではいられなかったのですが、途中まで参加していました。予想どおり、鍋をつついて……でもバカ話はそれほど出なかったような。田中さんがいなかったから? そういえば、田中さんがいないのをいいことに色々と仕事を…

天使と後期クイーン的問題

ミステリクロノ〈2〉 (電撃文庫)作者: 久住四季,甘塩コメコ出版社/メーカー: メディアワークス発売日: 2007/12/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (52件) を見る久住四季『ミステリクロノ』の最新刊。時間を操作する能力を持っ…

「セーラー服と縞のシャツ〜その由来と広がり〜」@横浜マリタイムミュージアム

横浜マリタイムミュージアムで開催されている「セーラー服と縞のシャツ〜その由来と広がり〜」を見てきた。 水兵、船員の制服、日常服であったセーラー服と縞シャツが、日本でどのように普及定着していったかを展示紹介したもの。日本での洋服の普及には制服…

文学フリマとミステリーカレッジ

1週間遅れての報告です。 文学フリマとミステリーカレッジに行ってきました。 まずは文学フリマ。 売り子先発隊は、去年と同じ蔓葉さんと円堂さんと私です。 慣れてきたのか準備はさくっと終わり、後は各自、雑談するなり飲み物を調達するなり他のブースを…

ノートの中の悪魔

前回の羽住さんの話に続いて、怖い話をしてみましょう…… 年老いた父母が、諸般の事情で引っ越すことになった。「お前の本を何とかしろ」ということで、実家に置いてある本の整理に出向いた。それについては、まぁ、大変だけれども慣れている。44年も生きて本…

朝から恐怖

今日は燃えるゴミの日です。 今、ゴミを捨てに行ったら、ゴミ捨て場に大量のマネキンが捨ててありました。 しかも、首だけ、10体ほど……。 泣きそうです。 まだ半分しかゴミを捨ててないのだけど、怖くて出せません。 マネキンって、燃えるゴミでいいのかし…

澁澤龍彦 幻想美術館@横須賀美術館

というわけで、よい天気となった今日は横須賀美術館に「澁澤龍彦 幻想美術館」展を見てきた。 展示作品は、すでに平凡社から図録として刊行されているので、収録作品を確認するようなところもあるけれど、やはりオリジナル作品を見ると、改めて気がつくとこ…

雨の日と澁澤龍彦

今日は横須賀美術館で開催されている「澁澤龍彦 幻想美術館」展を見に行く予定にしていたが、不穏な天気だったのでおとなしく家にいることにした。 で、未読だった牧野修『水銀奇譚』(理論社)を読んだのだが、この作品では澁澤龍彦が重要な位置を占めてい…

ヒポクラテス・クラブ

個人的にここ数年ほど、新風舎や文芸社などの自費出版・共同出版系の出版社の作品を積極的に読んでいる。探偵小説研究会の総体として、カバーできている範囲をなるべく広くしたいという思いがあって、ラノベは鷹城さんや蔓葉さんがカバーしているし、時代も…

エヴァと獺祭

『エヴァンゲリオン』の新劇場版、見てきました。なんか主役は、第三新東京市とラミエルという感じの出来でした。 目新しさを感じたのは、ミサトの家に転がっていた空瓶に、いつものエビスのほかに獺祭(だっさい)が多かったこと。山口の地酒ですね。近所に…

あとがき

研究会発行の同人誌「CRITICA」2号が絶賛発売中です。私も横溝特集と解放区に原稿を書いています。執筆者のほとんどが「編集後記」のページに文章を寄せているのに、市川の文章が載っていないのは、単純に書き忘れたからです。締切をちゃんと覚えて…

缶の中の妖精

コロボックルかぁ…… と、いうことでもあるし……私は、ちょっとしたフェアリーテールを一つ披露しよう。「冷蔵庫の中の幽霊」、「鍋の中の妖怪」と、自炊ネタを続けてきたが……今回で、三部作の完結篇。 自炊における問題の一つは――やはり、調理しながら酒を飲…

佐藤さとる コロボックル物語展

神奈川近代文学館で「佐藤さとる コロボックル物語展」が開催されている。 この物語の舞台のモデルになったのが横須賀と横浜なので、いわば神奈川のご当地文学になるのである。横浜や横須賀は大人になってみれば地元に感じられる距離の場所なのだが、子ども…

伏線としてのきゅうりのキューちゃん

先日、劇場アニメ『河童のクゥと夏休み』を見た。映画館に入ったところ、ビニール袋に入った記念品を渡されたので、中身を見ると「きゅうりのキューちゃん(沖縄ゴーヤ入り)」であった。 いや、たしかに胡瓜は河童の好物だが、映画館で漬物を渡されてもなぁ…

フジロックフェスティバル

7月末に新潟県の苗場で開催されたフジロックフェスティバルに行ってきた。 http://fujirockfestival.com/ ここのところ、音楽を聴く時間が取れないのだが、それでもフジロックに出かけるのは、会場となった苗場スキー場の地形を活かした会場のつくりが気に入…

テンパリ顔の福田

M−1覇者の漫才コンビ、チュートリアルをテレビで見かけるたびに、福田(イケメンじゃないほう)の顔が気になってしまう今日このごろ。常にテンパッたような顔をしている。あるいは、言葉は悪いが、おしっこを漏らした後の小学生のような顔をしている。 一…

納涼句抄

研究会日乗に、古典の下ネタ翻訳を載せると言いながら、暇がなかなかなくて、日乗そのものもご無沙汰になってしまいました。いまも野暮用に追いまくられていますが、たまには何か書きこまないと話にならないので、書中見舞がわりに、旧作の腰折れいくつか、…

鍋の中の妖怪

暑い……今日は、暑いね。 こういう日は、カレーライスだ! 千葉真一の顔が脳裏をよぎる―― と、いうことで……カレーを作り始めたのだが、冷蔵庫に残っていたカレー・ルーのパッケージを見ると、S&Bのやつだった。瀬古利彦の顔が脳裏をよぎる――瀬古のクールな…

関空第2滑走路オープン

和歌山に出張するため、羽田から関西国際空港へ飛んだ。するとたまたま今日は関空第2滑走路のオープン日であった。といっても、私の乗ったJALが降りたのは従来どおりの第1滑走路であったのだが。 和歌山駅行きの高速バスに置いてあった関空情報誌「KA…

ごきげんよう、王子さま

青年のための読書クラブ作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 86回この商品を含むブログ (254件) を見るこのところ躍進中の桜庭一樹の新刊『青年のための読書クラブ』は、一言でいうとアンチ・マリみて…

恐怖の瞬間

覚悟を決めて、やっと歯医者に行った。 歯が痛みだしてから、もう数ヶ月が経っている。 よくもまぁ、ここまで放置していたものだ。 「行くぞ」と決めたきっかけは、痛みではなく、歯に詰めていたものが取れたからだった。 飛び込みでも、さほど待たずに受診…

違います。アップされないなあと思って、 何度もクリックしたせいです。 このレスも、ちゃんと付くかどうか不安です。でも本当は、無意識の内に愛があふれ出したのかも ww

ライブズ!

4回も繰り返しているのは何かの叙述トリックですか?

ライブ!

クリスチャンじゃないけど、気になる13日の金曜日をやり過ごし、 本日をはさんで、明日から2日間、 いよいよ Girl's BOX のライブです。 台風直撃の噂もありますが、まあ、何とかなるっしょ wwクリスチャンじゃないけど、気になる13日の金曜日をやり過ごし、…

黒羊の建築を見た

先日、日帰りで長崎出張に行ってきた。仕事が終わってから予約した便まで時間が空いたので、長崎ぷち観光と洒落こみ、グラバー園に出かけ、グラバー邸、ウォーカー邸、リンガー邸など西洋建築を堪能する。このグラバー園には10年以上前に訪れたことがあった…