タイムカプセル

 折原一『タイムカプセル』を読んで、気になったことがある。
 たしか、私が小学校1年生の頃、小学校は30周年を迎え、その記念としてタイムカプセルを埋めたはずである。
 何を書いたかまったく覚えていないが、「20年後の私へ」という内容の手紙だったと思う。
 あれから20年以上の月日が流れ、きっとタイムカプセルは掘り起こされたはずだ。
 住居が変わってしまった私の元には、連絡が来なかった。
 あのタイムカプセルはどうなったのだろう。
 また元の場所に埋められたのだろうか。

 20数年前の私は、一体何を書いたのだろうか。
 見たいという好奇心はあるが、恥ずかしいという気持ちの方が勝っている。
 少なくとも、あのときの自分に誇れるような、大人でいたいと思う。