『プラダを着た悪魔』

新版『犬神家の一族』を観にいくものの、満席で入れず。代わりになぜか『プラダを着た悪魔』を鑑賞。

ファッション誌のカリスマ編集長を演じるメリル・ストリープは、さすがの貫禄。脇を固めるスタンリー・トゥッチも良い味を出している。
しかし問題は、まるでファッションに興味のなかったヒロインを演じるアン・ハサウェイがミスキャストであること。基本的にただの「可愛い子ちゃん(死語)」であるハサウェイにプリティ・プリンセンスは似合っても、硬派のジャーナリスト志望という設定は相当無理がある。カリスマ編集長の第2アシスタントに採用された直後は、周囲からその服装のセンスを散々に言われるのだが、なんたって可愛い子ちゃん(死語)だから、全然悪くは見えない。太っている、というヒロインの自嘲には「どこがやねん」とつっこむほかない。ほんとに太目で、不細工(個性的、と言い換え可能)なんだけど磨けば光る的な、数年前のレニー・ゼルウィガーみたいな新人をキャスティングすれば良かったのに。

ともあれ『プラダを着た悪魔』は、男一人で観にいく映画でないのはまちがいない。