本格ミステリ・ベスト10投票受付中

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●おまけの雑記。
横浜港に係留保存されている氷川丸を久々に見学した。前に見学にしたのが2006年12月。その後にリニューアルが行われ、全く見違えるほどに「いい方向に」変わっていた。すばらしい。
以前の見学コースには入っていなかった1等客室や社交室、食堂の見学ができるようになっており、アールデコの階段と大鏡、食堂のキャビネットといった豪華客船のインテリアの粋を楽しめるのだ。なんといっても1等社交室の暖炉が私の身長ほどの高さ(155センチ)としっかりした奥行きがあり、暖炉の上の鏡も大きくて、うわあ、本物だよ、と興奮してしまった。形だけのハリボテの暖炉もどきが内装に使われる昨今、いいものを見させてもらった。
また、1等社交室のソファが最高である。見学にきていた小学生が「びっくりのイスだ!」と騒いでいたので、何がびっくりなんだろうと、座ってみたら、本当にびっくりなのだ。信じられないくらいふかふかなんである。このふかふか加減は長時間座るのに向いているか否か、あるいは腰にいいのかどうかの効能はわからないけれど、なんというかカステラとかシフォンケーキに腰掛けているような幸せな気分になれるのだ。
豪華客船の名に恥じない復元リニューアルは、戦前の船の時代の文化を確実に伝えてくれるし、これほどまでにすばらしい内装の船が、太平洋戦争中は病院船、戦後は引き上げ船という使われ方をした時代の無情さを改めて気づかされる。客室から船長室、無線室、機関室までたっぷり見学できて(ビルの5階分はたっぷり上り下りする)大人200円。あまりに太っ腹な低価格設定に驚いた。でも文化財は見られてこそ価値を持つ。気軽に見学に来ている多くの観光客を見ていると、まずはこの料金は悪くはないのかもしれない。

で、ミステリー暦も押し迫った10月になり、未読だった山口芳宏『豪華客船エリス号の大冒険』東京創元社を読了。主な舞台になるのは豪華客船エリス号の1等客室と3等客室。そのため氷川丸を思いだしつつ読んだ。氷川丸の見学コースにはない2等客室がこの作品でも立ち入り禁止区域になっている。ふむ。

ちなみに氷川丸からほど近い神奈川近代文学館では「大乱歩展」が11月15日(日)まで開催中。