仮面ライダー対大邪神軍団
仮面ライダーとクトゥルーをはしごするという、ダメな大人の休日を満喫した。
まずは日本橋三越で開催中の仮面ライダー展。連休後半の初日だけあって、大きいお友達と小さいお友達でなかなかの混雑ぶり。
第1部は石ノ森章太郎の原画展示で、デザイン画や各種表紙画など(見覚えのある懐かしいものも多い)と共に、第1話の生原稿がずーっと並べてあって、つい読んでいってしまう。ベタの塗り具合とかペンの跡なんかが、光の反射で見えたりするのが生々しい。
第2部は、歴代ライダーが順番にずらりと勢揃い。ここは写真撮影可なので子供はもちろん、男子高校生(?)の2人組やらカップルの女子の方やらまでが、とにかく記念撮影をしまくり。昭和ライダーでお父さんが興奮して説明、平成ライダーになってくると「この辺から見覚えがあるなあ」と生意気な口調でチビが言う、といった親子があちらこちらに。
第3部は40人の現役漫画家によるトリビュート色紙の競演。いかにもなライダー世代や石森プロ関係者はもちろんだが、影丸穣也や一峰大二、原哲夫のライダーなんて見たいでしょ? 石井いさみや次原隆二のずらし方とか、尾瀬あきらがライダーよりも009だったりとか、見所いろいろ。個人的には中原裕のダブルライダーと、安彦良和のガンダムVSライダーがよかったなあ。
出口には、ショッカーの改造手術台を上から映したパネルがあって、その前で大の字に立つと誰でも改造中の写真が撮れるコーナーが。1人の俺はさすがにそこまでの度胸(ポーズ取るのも誰かにシャッター頼むのも)はなく、正直羨ましかったです。
出口の物販で図録と、オリジナルのクリアファイルにノートを買って(大きいお友達用のオリジナルグッズがあってほしかったな)、次は銀座のヴァニラ画廊の『邪神宮』へ。
誰かしら知り合いがいるだろうと思っていたら、いきなり入り口で森瀬繚さんとばったり。会場にいたら角銅博之さんもやってきた。
展示は井上雅彦の粘土造形から伊藤潤二や児嶋都のイラスト、京極夏彦の書までヴァラエティ豊か。俺としては、一番ビンビンきたのが天野行雄の「九頭竜」。「ダンウィッチの怪」を水木しげるが翻案した「地底の足音」の作品世界をさらに継承して、大学の民俗学教授が収集した異形の民芸品、という設定。調査報告も付されていて、こういう凝った遊びはやはり現物で見たいよね。
物販の方は、伊藤潤二のラヴクラフト・イラスト入りマグカップがお目当てだったんだが、和綴じの古書風邪神小説『輪轉』(治田豪和)と、レン高原クロフン族のブローチ(山下昇平作)に目がいってしまい、そちらに変更。量産型クトゥルー像にも惹かれるが、今の俺には高すぎ……。
実はこの日は岩井志麻子・黒史郎・東雅夫らによるトークイベントがあって、本当なら聴いていきたかったんだけど、同じ時間に打ち合わせが入ってしまっていたので泣く泣く会場を後に。後で知ったところでは、井上雅彦や京極夏彦も登場したらしい。濃い話が展開されたんだろうなあ。心ある有志の詳細なレポートを望みます。お願い!
恙なく打ち合わせの終了後、ハッピーセットのおまけが仮面ライダーなのを思い出してマックに入ったら、一発でスペシャル扱いのゴールデン1号が出ちゃったよ。光センサーでサイクロンの爆音が鳴り響くギミック付き。何だか今年前半の運を無駄遣いした感じだ――ってショボい運だけど。
というわけで連休の予定は終了。あとは中旬襲ってくる〆切4連チャンに向けて、ひたすら並行作業である。ああ、ある意味生きている実感が……。