「篇」と「編」

収録作品のセレクトと巻末解説を担当した『物しか書けなかった物書き』(ロバート・トゥーイ)の見本が届く。世界初の快挙だけに、感慨もひとしお。

ところで、今回の解説では「短篇」と「短編」のどっちで表記すればいいか、ずいぶん迷った。現在の主流は「短編」の方だと思うけれど、たとえば「異色作家短篇」という場合は、早川書房登録商標みたいなもので、断然「篇」の方が落ち着きがいい。

ひとつの文章の中で、両方混在するのも何なので、一般的な「短編」表記に統一したが、やっぱり「短篇」でなければ雰囲気が出ない、という人もいるだろう。漢字の使い分けには正解がないので、いつも頭を悩ませる。

さらに余談。「篇」と「編」という字を見ると、いつも「初代ウルトラマン」と「帰ってきたウルトラマン」の姿が目に浮かぶ。「篇」という字はスリムで精悍な「初代ウルトラマン」のシルエット(特に初期の凸凹したマスク)を、「編」という字はがっちりして人間くさい「帰ってきたウルトラマン」のフォルムを連想させるから。「篇」と「編」を比べたら、「篇」の方がなんとなくエイリアンっぽい感じがするし。

物しか書けなかった物書き(KAWADE MYSTERY)

物しか書けなかった物書き(KAWADE MYSTERY)