[法月]「無限」に魅入られた男
ゲオルク・カントール。「連続体仮説」がおのれのアイデンティティーそのもので、人生を「連続体仮説」に捧げて生きてきたため、「連続体仮説」が真であることをあらゆる思考の基盤に据えてしまった男の悲劇。
- 作者: アミール・D.アクゼル,Amir D. Aczel,青木薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/02
- メディア: 単行本
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「数学を論理的に解くこと。徹底して論理的に」解こうとする「理性の働き」のバックグラウンドには、数学者の個人史と直結したのっぴきならない思想なり、世界観なり、感情なりが常駐していて、逆にそれ抜きではどのような「論理」の徹底もありえない――20世紀の数学者たちが直面した「数学の危機」の本質とは、そのようなものだったと理解されるべきではないでしょうか。