余はいかにしてヒンドゥー教徒となりしか

あんまり書くこともないのだが、最新の読んだ一冊について記しておこう。

Sita Ram Goel の"How I became a Hindu "(余はいかにしてヒンドゥー教徒となりしか)
を読んだ。

この著者のゴエルは、若い頃は、マルクス主義者だった。その彼が、いかにして伝統的な土着のヒンドゥーイズムへと回帰し、転向したかを述べている一冊。

ヒンドゥーの農村には、たいていひとつは、ヒンドゥーの寺院がある。
ある村の寺院は共産主義者によって破壊された。マルクス主義者としては、宗教という迷妄から村を解放した、闘争の勝利だと喜んでいた。しかし、その村に飢饉・洪水・干ばつなど近くの寺院がある村よりも多く災いがふりかかるようになって、寺院がない村は災いが起こりやすいと観測するようになる。インド国内で寺院を失った村を丹念に調べて回ると、寺院がある村よりも災いが多くふりかかり、病人が多く発生し、事故や犯罪が多発していることがわかる。ヒンドゥー・保守思想に回帰しなければならないと天啓をえて、彼はそれまで信奉していたマルクス主義を捨て、ヒンドゥーの伝道師へと変貌する。

日本でも戦後の転向について、いろいろと述べている人がいるが、インドの転向状況と比較した人は今のところ見当たらないようだ。これはこれで興味深いテーマになるだろう。