帽子

「書評なんて信用できない」と思っている人へ。

たまに書評を書くことがありながら、私もそういう人のひとりなので、昨日の個人的な体験について書かざるを得ませんでした。 「書評なんて信用できない」と思っている人に読んでいただければ嬉しく思います。 →「http://d.hatena.ne.jp/chinobox/20100817/p1…

批評のこと。(11)近什数点、あるいは「壁本」という言葉を使う人たちと、ムラの外の人の親切を無視する人たち。

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2009-04-08 - 研究会日乗」の続き。 《野性時代》2009年5月号と「日経ビジネスオンライン」で、ウェブ上の読書感想文でよく見る「壁本」という言葉について書きました。 「壁本」という言葉を使って本をけな…

批評のこと(10)あなたが文学を必要としているかどうかは、iTunesマイレートの星のつけかたでわかる。

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2009-03-24 - 研究会日乗」の続き。こちらをどうぞ→「http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090403/191007/」。 (「2009-04-29 - 研究会日乗」に続く。)【id:chinobox】

批評のこと(9) 「下から目線」に比べれば「上から目線」のほうがずっとマシ。

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2009-01-26 - 研究会日乗」の続き。 逢坂剛の連載「新・剛爺コーナー」第36回「真理と芸術は、誰のものか?」*1は、推理作家協会賞候補作のうち、受賞作である今野敏『隠蔽捜査2 果断』を きわめて読みやすい…

批評のこと(8) 円堂都司昭に。

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2008-05-15 - 研究会日乗」の続き。 円堂都司昭がブログで、昨年の早稲田大学でのシンポジウム「文芸批評と小説あるいはメディアの現在から未来をめぐって」*1のことを書いています。→「2009-01-25」。 円堂…

批評のこと。(7)

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2008-01-31 - 研究会日乗」の続き。 ここまで書いてきたことには、ある視角が欠けていました。 その視角とは、「批評されるためには、なんらかの資格がいるのか」という問いです。 日本記号学会第28回大会*1…

批評のこと。(6)

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2008-01-24 - 研究会日乗」の続き。 前回のまとめ。大塚英志『物語消滅論』での「サブカルチャー移行対象説(文学思想向精神薬説)」(大塚氏の表現をそのまま使って千野が再構成したもの)。 ・サブカルチャ…

失礼しました。

上のエントリを2回送信してしまいました。2番目を削除し、併せて、若干の字句の訂正を行いました。【id:chinobox】

批評のこと。(5)

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2008-01-22 - 研究会日乗」の続き。 家でネットにつながらなくなりました。 なんとしても日本の国会図書館OPACで調べものをしないと、玉突き状にいろんな〆切に遅れてしまうので、レンヌ通りのカフェからつな…

もちろんです。

〈自分自身を否定されたくはない、という気持ち〉は奥底にあるどころか、だれだって否定よりは肯定されたいと思いますよ。【id:chinobox】

批評のこと。(4)

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2008-01-21 - 研究会日乗」の続き。 小説家の事情はさておき、読者とか〈ファンダム〉とかウェブ書評について。 まず、批評家は小説を批評しますが、小説家も批評を批評できる。だれにでも、批評の権利があり…

批評のこと。(3)

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2008-01-19 - 研究会日乗」の続き。 前回はこういうことでした。 1. 〈草の根教養主義者〉は批評が嫌い? 2. ミステリ作家も批評が嫌い? 〈草の根教養主義者〉というのは、〈ファンダムの重鎮クラス〉〈探偵小…

批評のこと。(2)

批評家ならぬ雑文家が、批評について考えてみる「2008-01-17 - 研究会日乗」の続き。きょうは、「批評不要論」の存在について。 僕はむかしから、日本のオタク作品のすばらしさに対し、それについて語る言葉の貧困さに苛立ってきた。批評や評論というと、オ…

批評のこと。

限界小説研究会編『探偵小説のクリティカル・ターン』をいただきました。 巻末の、笠井潔「批評をめぐる諸問題──おわりに」には、巽昌章・東浩紀・千街晶之・丸山眞男・島田荘司・ヴォルィンスキー・埴谷雄高・ドストエフスキー・唐沢俊一・有栖川有栖・二階…

ボルヘス、ジャンル小説を語る。

『ボルヘスの北アメリカ文学講義』第13章が概ねジャンル小説周辺に充てられている。まずはミステリの祖とされるポウ。 最初に出た「モルグ街の殺人」は、一見密室と思える屋根裏部屋で二人の女性が惨殺された事件を扱う。犯人は■■■■■■■である。「盗まれた手…

屈辱ゲーム。

前の日記に大森さんが『源氏物語』のことを書いていた。 その3日前には、こんなニュースがあった。 仏大統領が祝福メッセージ =「源氏物語千年紀委」に−京都 4月27日21時31分配信 時事通信 2008年に源氏物語が記録上確認されてからちょうど千年を迎えるのに…

『文學少女の友』。

ユリイカ2006年2月号 特集=ニート 新しい文学はここから始まる出版社/メーカー: 青土社発売日: 2006/02メディア: ムック購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (30件) を見る《ユリイカ》ニート特集に書いた「生活? そんなものはF1層に任せておけ。…

仕事がらみの本(2007年1月上旬・中旬)。

赤朽葉家の伝説作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/12/28メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 148回この商品を含むブログ (506件) を見る献本いただきました。ありがとうございました。 昨年、学術書の翻訳を出しました。それを読んだ…

個人的なことは生理的なことである。

Personal is physiological*1.そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります作者: 川上未映子出版社/メーカー: ヒヨコ舎発売日: 2006/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 79回この商品を含むブログ (73件) を見る先月著者から献本いただいた『そら頭は…

きょうは佐々木丸美氏の一周忌です。

[千野]とすると千街さんと一瞬間違えそうになるので[帽子]としました。本文とはまったく関係ない話ですが、『警察24時』のナレーションは小林清志に限るし、『歌舞伎町ホストの真実』のナレーションは江守徹に限ります。雪の断章 (佐々木丸美コレクション)作…